グレア(glare)
グレアは照明の光が原因で起きる不快感や、目に残る残像などの総称です。日本語では「眩しさ」と訳される場合もあります。「グレア=明るさ」と誤って認識されやすい点に十分注意してください。グレアは背景の明るさと、照明器具の最も明るい場所のコントラスト差が大きい場合に発生します。このため、例えば、暗闇にある小さな照明器具は暗くてもグレアを発生させることがあります。逆に、周囲が明るい場合や、発光面積が大きい器具の場合には明るくてもグレアは発生しません。

<概要>
人の目は、夏の昼間(10万ルクス)から月明かり(1ルクス以下)まで、実に何十万倍も異なる明るさに順応することができます。しかし、暗い場所で急に強い光源が目に入った場合には目が順応できません。この結果、強い光が目に残像を残したり、強い光に目が順応しようとして周囲を暗く感じるなどの不快感を伴います。

<照明選びのチェックポイント>
家庭内でグレアが起きるのは、輝度の高い点光源(裸電球など)が直接視界に入る照明器具や、シェードが小さな器具がほとんどです。これらは単体で使用することを前提としていませんので、アンビエント照明(空間全体を照らす照明)が無い部屋で使用すると眩しさを感じることがあります。上記のような場合、問題はグレアを生じる照明自体よりも背景(壁や天井など)が暗いことにありますので、器具を暗くするのではなく、背景となる壁面や天井を照らす適切なアンビエント照明をバランスよく追加することで解消します。照明器具が沢山並ぶ明るい店舗ではグレアが気にならない照明器具が、家庭に持ち帰ると耐えられないほど不快なグレアを発生するという場合もありますので、購入時には注意が必要です。

<グレアフリー思想>
ポール・ヘニングセンが提唱した『照明器具によってグレアを防ぐ』という思想は『グレアフリー思想』と呼ばれています。『グレア』の存在を訴え、グレアを無くすことで心地よい光を実現しようとした照明器具の設計思想として広く知られています。現在ではグレアの存在は研究が進み広く認知されており、プロが公共空間の照明計画を行う際には必ず考慮されています。ただし、日本では家庭用の照明器具に必要以上の明るさを求める傾向があるため、グレアの存在が考慮されていなかったり、明らかにグレアが起きやすいデザインの照明器具も数多く存在している点に注意してください。
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